鮨を知る
2021年9月20日
学問上ではコノシロ コハダは江戸の方言 「出世魚」の一つ シンコ(新子)又はジャコ 4~ 5cm 幼魚コハダ(小肌)7~10cm ナカズミ 12~13cm コノシロ 15cm以上 関西方面は全てツナシで通る。
「子の代」(子の身代わり) 戦国時代、三角関係を清算すべく、娘は死んだと偽って葬式をした棺に入れた のがコノシロであった。つまり、子供の身代わりだからコノシロという訳。
「この城」 語呂合わせ、「コノシロを焼く」「コノシロを食う」を「この城を焼く・食う」で武士は 縁起が悪く、「腹切り魚」といって切腹のときに供える魚。 江戸幕府のお膝元ゆえ、江戸の方言の小肌にした。
松島湾(太平洋岸) 秋田沖(日本海側)が北限で主要産地は西日本の内湾と朝鮮 半島沿岸。
産卵期(3月中旬から6月頃)前の12月暮から1、2月の寒い時期。
すし1かん当たり 51.9Kcal 主成分はたんぱく質 カルシュームの含有量はすばらしく牛乳の1.5倍にもなる。
塩と酢のはたらき 酢〆する時は必ず塩をふってから酢につける。 直接酢にはつけない。 塩をふることによって、表面の塩分濃度が体内より濃くなり体内の水分が細胞膜 を通して外へ吸い出される。 従って、塩をすることによって魚の生臭みがぬけ、酢がよくしみ込んで味がよくなる。 (しおをしないでは酢は全然吸収されない) 水分がそとへ吸い出されると魚は脱水状態になる為酢につけると逆に酢がよくし みこみ味がよくなる。 ”塩梅”の作用でまるみのある味になる。
マアジが一般的である。 東京はメタマ、小アジをジンタ、ジンタッコ。 大阪中心に和歌山、広島あたりはヒラアジ、石川はカパチ、鹿児島はキンベアジ
アジは「味」という言葉がそのまま呼び名。 マアジのマは漢字で書けば「真」という字「ホンモノ」の意味。 ゼイゴの役割 ゼイゴというウロコは普通のウロコと違って太古の時代のなごりでサメの体をおお っているものと同種である。 驚いたことに人間や他の動物の歯となら変わりなく、ウロコのでき方も歯と同じ順序 でできている。 したがってアジが大海を遊泳するとき身を守る武器がゼイゴである。
太平洋では千葉、神奈川、静岡。日本海側では富山、鳥取、山口。 九州では長崎、鹿児島。 東京近辺(江戸前)では六郷川河口が一昔前まで特に良いとした。 漁法は巻き網、定置網、流し網。
晩春から夏場にかけてである。 産卵期の前 一年を通じて極端に味が落ちる時期はない。
すし1かん当り52.1Kcal主成分の蛋白質は100G中20Gで標準。肉に癖がない。皮つきの場合にはビタミンA1,B2にも期待できる。コレストロールを減らし動脈硬化など成人病に効果のあるEPAが豊富で特に旬の とき含有量が増す。
酢〆 塩の時間は大きさにもよるが、大体コハダの半分ぐらいを見当にして、約30分位。 塩と酢の時間は昔より短くなっている。生に近いものに変わってきている傾向。 昔は仕事のていねいな職人や店では下酢洗いに使う二番酢でも必ず布巾でこして 魚の脂アク、ヨゴレを除いて使ったということである。 下酢洗いは皮目を中に二つ折りし、下酢につけたら、ボールをゆすって洗う。 手のひらにアジをはさんで軽く酢を切りしてから、清酢につける。 酢につけておく時間は、塩の時間でかわる。 酢の量はアジが全部かくれる程度。 酢の時間 塩が30分だと酢は3分~10分
日本近海で捕れる物を本サバ(マサバともいう)
サバ=小歯とする説 サバのサは「小さい」バは「歯」つまり「小歯」である。 サバの歯は非常に細かいのでそれが名前になった。 最近ではノルウェーなど外国産のサバが日本に大量に輸入されており、外国産との 差別化を図る必要がありサバもブランド化されてきている。本サバは陸近くに住む。釧路沖・銚子・長崎・対馬・静岡・三崎の沖合いが主漁場。
秋、特に秋も末になると脂がのってきる。春サバや夏サバは味が落ちる。
ビタミンA、皮の方に多く、光り物中では一番である。 皮膚炎や舌の炎症等に効く。骨の正常な発育に必要なビタミンDを含む。
1、「サバの生き腐れ」 表面はつやも張り鮮度が高いように見えながら内側は既に腐っている。
2、「サバ読み」 秤という公正な道具が無かった時代多量の売買になるほど数にごまかしがきく。 事実こうゆう手口は昔からあった
3、「秋サバは嫁に食わすな」 姑嫁の嫁いびり。また、11月の旬のサバは脂がのっていて”子がない”ため縁起を かついで嫁に食わすなという心づかいともとれる。
1、マサバは8月過ぎから3月頃までが美味しい。
2、夏場はゴマサバを使うと良い。1年間を通じて味が安定してる。
1、サバには独特の旨味がある。これはアミノ酸の一種である”ビスチジン”という成分が多く含まれている。 2、ビスチジンは酵素によってビスタジンという成分変わる。
3、死後、時間がたつとビスタミンがたくさんできる。
4、ビスタミンの敏感な人になるとジンマシン、腹痛、吐き気、熱が出たりする。
5、しかし、敏感な人はあたる。、鈍感な人はあたらない。
6、海辺でピンピンしているサバを食べている人は敏感に反応する人が多い。
7、一方、長い間古いサバを食べつづけている人はなんとも成らない身体になっている。
外見の上品さとは逆に、サヨリは腹黒い魚で、内臓は真っ黒、身を裂いたときには異様な悪臭を発つ。サヨリのいかもの食いが原因している。
分布圏は樺太から台湾まで。水揚げ多いのは南日本、南朝鮮の沿岸。 内湾に生殖し、いつも群れをなして表層を泳いでいる。
3~4月。寒のうちからとれはじめ、産卵期の4~7月に豊漁となる。秋ののサヨリも悪くはないが、味がいちばんよいのは早春である。
①光ダネの中では脂肪が少なく、ビタミン類が期待できない魚。
②肉は白く、味は淡白で香りがよいところから、高級魚に入り、上ダネに位する。
下アゴが長く突き出しての先がポッンとピンク色している。その色が鮮やかなほど鮮度は新しい。
江戸の昔から、東京湾の浅場(水深2~6M)で脚立を立てて釣り糸を垂れる 「脚立釣り」が有名。沿岸漁業としては、生産性が低い。 水温の上昇につれて、沖合いから岸に近づいてくるため、漁法は水深によって 違う方法がとられている。
春先が最盛期。6~7月、ところによっては8月にかかる地域もある。 多穫性のものではないので、旬のものをストックしておくまでにはいたらぬことが その味とともに、キスを高級魚にしている。
淡白で上品な味。 魚肉100グラム中、脂肪がわずか1.5グラムとサヨリにくらべてもさらに少ない。
東京では酢でしめる方法を展開している。新潟、富山、石川、福井などの海に近い 都市では、皮ひきして生で使うすし店が多い。
本州中部以南からインド洋あたりにまで分布・主に南日本で多穫される魚である。
東京や富山ではシマアジ。 熊本ではヒラアジ。 鹿児島ではカツオアジ。 和歌山や高知ではコセアジ。 旬夏の白身の高級ダネ。5,60センチ大のものが 旨い。
①タイは淡白で癖のない白身の魚なのでその風味はできる限りそこわないようにする事 が必要。
②焼霜にすると香ばしい香り成分が出来てタイの淡白な風味がころされてしまう。
③湯霜の大切な働きは”さらっとした口当たり”になる事である。
魚、は一般的に、死んでまもなく死後硬直という状態をおこす。 筋肉のなかで変化が起こり、糖分が乳酸になり、その乳酸がたんぱく質とついて、 乳酸たんぱく質になり、これが堅くてコリコリしているため、ピンと張った状態になる と考えられている。 このピンと張った状態のときが魚の味は一番よいとされている。 タイやヒラメのような泳ぎ方もゆったりした運動の少ない魚は、硬直状態がゆっくり 始まり、そして長くつづく。 その上、これらの魚は消化酸素の力が弱い。当然、自己消化の速度もゆっくりして いて、身がくずれるのがおそい。 そのため、サバやカツオなどにくらべると、長く味が変わらず、もちもよいのである。
1、樺太,千島から南シナ海まで暖流,寒流域を問わず広く分布している。
2、底引き網や底刺し網漁で漁獲する。
1、産卵期は3~7月(生後3年で成熟)従って旬は冬である。
2、寒ヒラメのうまさは昔から定評がある。
1、すし1カンあたり38.6Kcal
2、高たんぱく質低カロリーで消化吸収もよい。
3、コラーゲンといって肌を美しく保つ成分を含む、女性におすすめ。
4、皮にビタミンAが多量にある。
1、両眼が体の左側にある。
2、最も注意することは俗に「フクロ」と呼ばれるひらめである。
3、このヒラメは身がまるで綿のように軟らかくて、オボロにもならずまったく使い道 がない。一種の病気である。
4、このようなヒラメは夏に多く見られる。夏のヒラメは使わないという店もある。
5、活きじめは一日ぐらい置いたほうが旨くなる。3日ぐらいでも美味しい。
1、ヒレが大きくてよく動かす魚ほどそのつけ根の筋肉が発達している。
2、一枚のヒラメからわずか4本のエンガワしかとれない。
すし通はエンガワを注文すると聞きましたが「エンガワ」てなんですか? カレイやヒラメのヒレのつけ根のところにあたる身をさす言葉です。 ヒレが大きくてよく動かし魚ほどそのつけ根の筋肉が発達している。 カレイやヒラメのエンガワやマナガツオのヒレのつけ根の部分が特によく発達して いて食べられる。 1枚のヒラメからわずか4本のエンガワしかとれないそれだけに珍味として珍重 されている。 高価なすしダネとして店では大切に沽用しております。
成長にしたがってその呼び名が変わる
25cmぐらいのものセイゴ 30cm前後をフッコ。60cm~1M位まで成長したものをスズキと呼ぶ。
大きさによって棲息場所が違ってくる。セイゴ、フッコ時代には川に上がってくるが スズキともなるとせいぜい川口に近寄るぐらいといわれている。 秋から冬にかけて卵を産むから、旬は夏場となる。夏場の白身ダネとして一級品といえる。 旬が夏場だけに限られているのがいかにも惜しい。北海道から朝鮮をへて、はるか 台湾から南方にまで分布している魚である。
今は昔の魚河岸時代、カンパチは旦那衆の刺身の魚といわれていた。 商売柄、マグロの刺身に飽きた魚問屋の主人達が、他人の知らない旨い刺身と 洒落た魚で、元来、入荷量が少なかった。 旨いが入荷量が少ないから、その値段もたかくなる道理で、一般のすし屋には手が 出せず、横目でにらんできた魚である。
初夏から夏中が旬であるが、その漁獲高の少ないのが玉にキズである。 熱帯性の魚だから、南日本から台湾、韓国の西あたりが漁場である。
おもしろいのはカンパチの呼び名である。漢字で勘八、間八と書く。
正式にはタイラギという。
太平洋岸の浅海の砂や泥の中に三角形の頂点を下にしてなかば突き刺さるような 形ですんでいる。
東京湾、瀬戸内海(山口県、愛媛県)有明海(柳川)を好む。
旬は冬(秋から春にかけて漁獲する)
貝類の中でもとくに大きい貝で,、食べるところは貝柱。
すし屋では”ハシラ”で通っている。
漁獲量は年々減少している。
北海道南部から九州にいたる沿海でとれ、赤貝の産地は多い。 東京湾のものが良質とされている。 明治から昭和の初期までは、千葉県検見川、東京羽田、神奈川の子安の赤貝が 良質と決められていた。現在は千葉県富津のものが良質とされている。 はかに、伊勢湾、瀬戸内海、鹿島灘、松島湾、気仙沼湾、陸奥湾、三河湾とある。
東京の市場では、本玉は殻が黒ずんでおり、身は赤い。白玉は殻の色が白く、 肉もやや白みかかっている。 味は本玉ががすぐれており、白玉のことを市場では”場ちがい玉”といって値が安い。
10月~3月頃まで、寒い季節のものである。 春のお彼岸が過ぎると、貝が子をもってくるので身そのものはやせて、味が落ちる。
貝ごと手にもってドシリと重い感じのするものは新鮮だと思ってよい。 魚類に比べて生命力が強いので、貝のままなら保存にそれほど気を遣う必用は ない。 低温すぎると死んでしまうので注意すること。 ここに説明文が入ります。
北海道から九州の内湾の泥底に分布してる。 特に東京湾、伊勢湾、瀬戸内海ものがいいとされる。 中でも千葉県富津、神奈川県の横須賀付近」のものは味がいいという。
アワビの旬(夏場)が終わる頃から味が良くなる貝。 一年中出回るが、旬は2月から6月。
貝の先にとびだしている水管(これがすしダネとして用いる)の部分を引っ張って みるとよい。
東北から東海、九州と南の方に多く、伊勢湾や大阪湾でさかんに水揚げされる。 水深数メートルの浅い泥土にいるので、捕獲も貝桁網というもので、漁獲する。
生産地では、貝殻つきのまま出荷されることは殆んどない。
8月から、翌年の4月ごろ(春と秋に産卵する) 扱い方 トリ貝のむき方は大変難しい。 表面の黒いものをとばさないように、丁寧に扱うこと。 昔は貝の先端を切って用いることがかなり常識的であったらしい。
北海道、伊勢、四国で獲れる。 千葉県の青柳のものが有名。 千葉県木更津では養殖が盛んである。
正式な呼び名はバカ貝 不名誉な名前を持っている。干潮時になると貝の口を開けて長い舌をペロリとだして いるので、このような名前が付けられた。、 千葉県青柳村で多く獲れるので、アオヤギと一般的には呼ばれている。 アオヤギの柱を小柱と呼び、タイラ貝の貝柱を大柱と呼び、区別している。
冬から春にかけてが旬。 親(身)よりは柱の方が重要視されている。俗に”親まさり”などといわれている。特に人気があるのは、天婦羅でかき揚げである。
バカガイ科に属しているので、アオヤギを大型にしたような貝で、やはり バカガイに似て口をあけている。
主として東北・北海道。千葉より北の浅瀬に育つから北寄貝と書く。淡水の入り込まない内湾の砂地に育つ。
夏が禁漁期になるほかは、一年中を通して入手出来る。 特に冬から春にかけて味がよい。
①生のままだと。先端が黒っぽい色をしているが、これを、ちょっと湯ぶりに すると、きれいな紅色がかった紫色にかわる。
②ひらいて、ワタをだしたホッキ貝を目ザルに入れて、沸騰している湯の中で、2~3回ふる。
③色が少しうす紅色を帯びてきたところで湯から引き揚げ冷ます。
④しばらくすると、きれいな紅色がでてくる。
すしダネとしては青柳と同じような扱いをするが、すし以外には、酢の物や刺身の前盛りなどに使う。
オガイ(雄貝)は北海道の日本海側、メガイ(雌貝)は東北から四国、九州 マダカ(メガイに似ていて、肉質が褐色で柔らかく厚く、上等品)は東海以南 に多く分布している。 東京近辺では、千葉の布良海岸が有名である。 石川の輪島、鳥羽の国崎なども有名である。
夏(産卵期は11月) 他の貝は冬から春が旬である。
ハナグリ等の二枚貝と違って、アワビの殻が一枚しかないことから出たもの ハマグリの「見合わせ」「夫婦合わせ」にたいした言葉。
低コレストールで鉄分やタウリンが多く、カロリーが少ない。 すし1貫当たり35.9Kalアワビの選び方調理目的で選び分けることが大切。
すし店では青貝といっているオガイ(雄貝)は身が硬く、水貝や刺身など 生で食するのにむいている。 一方、アカカイとよばれている黄褐色のメガイ(雄貝)は身やわらかいので 塩蒸しや煮物にむいている。
生で供するのが一般的であるがもともとは煮物のタネであった。 冬のハマグリ夏のアワビとして季節感のある煮物のタネであった。 塩蒸しにして煮ツメをつけて供することの多く煮貝にもした。
「トコブシ」は最近になって」冬でもアワビを欲しがる客が多くなったため、 使われるようになった。 但しトコブシはアワビとは別のものである。
身の硬いほうが美味である。オガイの方が珍重される。 口を切らずに塩をするとあわびが口を閉じてしまいので表面の身だけが しまり、全体に塩がまわらなくなってしまう。 従って、呼吸したり餌を食べたりしている口を切って傷つけ、そこから塩を まわしているのである。この方が完全に全体に塩をまわすことになる。
戦前までは夏の煮物のタネとして代表的なものであった。 明治~大正時代は湯蒸ししたあと煮汁で長く煮たものがすしタネとして用 いた。 その後和食の影響をうけ塩蒸しや生のアワビがすしに用いられるようにな った。 塩蒸ししたものは薄くそぎ切りにし、煮ツメをつけて煮物として供していた。
貝からはずしてもアワビは生きている。生きているかぎり、代謝があるし、 生きていくためのエネルギーも必要である。 ところが、すでにアワビはエサもエネルギーも補給できない状態になって いるのだから、生きるためには体の成分を使って、それをエネルギーに 変えるほかない。 だからといって、代謝をどんどん行ったら、身がやせていくだけである。 とくに、体の中に含まれているグリコーゲンといったような非常のおいしい 甘味のある動物糖分から最初に消耗していくから味もどんどんおちる。 その上、消耗し尽くしたら死ぬだけである。それだから、できるかぎり、 呼吸量を減らして消耗を押さえることが、長持ちのコツなのである。 イキ穴をとめれば、それだけ呼吸量は減ると考えられるし、しかも、死な ない程度の低温に保てば細胞内の酸素の働きが押さえられるので、 消耗は当然、少なくなると考えられる。 最近、りんごの貯蔵をするのに低温で、炭酸ガスを多くして、リンゴの代謝 を押さえて、何時までも新鮮に保つという方法が行われている。CA貯蔵と いう方法であるが、ちょうど、この考え方と同じような考えだといえよう。
1、実に美味しいすしである。江戸前のハマグリは近年漁が少くなっている。従って 江戸前すし店からハマグリのすしが姿をけしはじめている。昔は盛んに用いられていたのである。
2、原因は東京湾の埋め立て工事である。それでも、最近の東京湾は清掃がとどき 水がきれいになったお蔭で,ひところからみると魚の種類も増え始めているの で喜ばしい事である。
3、産地は東京湾、伊勢湾が本場ものされている。
4、ハマグリの一番美味しい季節は,10月~翌春3月頃までである。
5、仕込み=下ごしらえ
イ、長い箸などにハマグリの黒っぽくなっているくちばしのところへむき身をいくつ にもさす。
ロ、こうすると水の中にハマグリの身についている砂が落ちる。
ハ、水の中に入れて洗うと磯の香がとんでしまうのでこの様に丁寧に洗う。
ニ、茹で方は完全に茹でてしまっては硬くなるので、湯が沸騰して、二つ三つ ハマグリが浮き上がってくる程度でよい。
ホ、早く熱を冷ます事が肝心。
6、仕込み=漬け込み
イ、調味料の分量
マグリのゆで汁の上澄み 180cc 砂糖 20g みりん 5cc 醤油 40cc
ロ、ハマグリも漬け込み液も冷ましてから漬け込む事。 ハマグリの漬け込み旬(12月~3月ごろまで)の時期には召し上がれます。
ハマグリの下ごしらえには手間隙がかかり、丁寧な仕事が要求されます。
例えば、竹箸などに、ハマグリのむき身をいくつもさして、水の中で2~3回 クルクルまわして洗う。こうするとハッマグリの身についている砂が落ちる。 箸は黒っぽくなっているくちばしのところへさす。 ザルにいれて洗うと磯の香りがとんでしまうので、このように丁寧に洗う。 漬け込みにも細心の注意が必要。漬け込むハマグリとツユとの間に温度の バランスがとれていないと(ハマグリもツユも冷ましてから漬け込む)、中の 水分が吸いだされ、身がかたくなったり、また、味がでてしまったりして 、漬け込んだものの味がまずくなってしまいます。
1、ハマグリは二枚貝である。二枚の貝があうところ、つまり蝶番いは実に精密にで きていて、同じ海、同じ時に獲ったハマグリでも、その同じ個体の殻以外の殻とは, 絶対に合わないのである。
2、この結ばれ方、合わさり方の厳しさから、由来、日本人はハマグリを相思相愛の 男女のきずなに、夫婦愛のシンボルにしてきた。だからこそ婚礼の席の吸い物 椀のには,必ずハマグリが二個入っているのが決まりになっているのだ。
旬は毎年11月から2月」まで。
1、昔、少なくても、大正期のタコ、ことに茹でタコは、しょうじきいって屋台のすし屋でも 一級と自認する店では用いていなかった。こららの茹でタコは、主として料理の仕出しを請け負っていた魚屋か一杯呑み屋のタコ酢の材料としての需要に応じていた。一方、内店のすし屋の応くは、この茹でタコを用いると、何か店の見識にでもかかわ ることのように,用いようとはしなかった。ただし、煮ダコ(生のタコを自店で煮上げたもの。自店で茹でタコにする店はすくなかた)を用いるすし屋(内店、屋台を問わず)は多かったようだ。
2、それでも、煮タコを使うことを気にしたものである。つまりすしダネの位取り(すしダネの階級)を知っていたのである。一方、煮タコの調理に工夫を凝らすすし屋が多かった。
3、年寄りにでも食べられるようやわらく煮上げたものを日本料理では桜煮という。
4、桜煮の調理方法
生ダコの臓物を去り,十分に塩もみして洗い上げたのをぶっ切りにして水気をきり鍋 に酒と味醂と煮立たせた中へ入れ,落し蓋をしてしばらく煮込み,桜色になったところへ食塩,砂糖を加え,最後に醤油をさして味加減をする。タコはかみ締めて味の 出るところを賞玩されるのだが,歯の悪い人のため柔らか煮が好まれる場合は,少々の赤小豆を入れたり,黒砂糖を加えて,弱火で気長く煮込む法もあるけれど 附味が主になり過ぎると本来の風味は失われる。
たんぱく質は塩分によってかたまる性質を持っている。 タコの表面は、たんぱく質の一種である粘質物、いわゆるヌメリでおおわれている。 これを塩もみしてかため、水洗いしてとりさるのである。 うすい塩では逆にヌルヌルした状態になるので,たっぷり塩を用いてヌメリをかためる。
いかの煮方 塩は入れない。一度に沢山ゆでないこと。耳タブの硬さ程度、ゆで過ぎると硬くなる。 新鮮なイカは皮をつけたまま煮て差し支えない。(破れがある時は皮をむいて使っ たほうが良い。ゆで上がったら、胴に箸を入れてあげる。 あし(ゲソ)も同様にしてゆでておく。冷水にとってイカをさます。
煮汁は砂糖、濃い口醤油を同割で用意する。煮汁がイカからでるので煮汁は少な めで良い。 煮立てた煮汁にイカを入れ、箸でころがす。中火程度で煮方は7分をゆで3分を煮 るという程度が良い ここに説明文が入ります。
現在でも作って名物としている店もごく希少である。一般的には殆んどみられなく なった仕事である。 戦前にはごく当たり前の仕事であった。 江戸前ずしの魅力はこうした手をかけた仕事の中にあった。 現在にものが再評価されて、人気が高まっている。
煮イカと同じように煮る。 丸のイカの胴の口を少し切り、姿を整える。 イカにすし飯を詰める。イカがパンパンに張り切れる位になるまできっちり詰める。 五目飯の具(かやく) 椎茸、人参、いなり、昆布、ゴマ、かんぴょうの刻んだもの。
一口に食べられるような大きさに輪切りにする。煮ツメをつけて供する。
青森湾と北海道沿岸に多い。現在はほとんどが養殖である。
冬である。産卵期は3~6月で4年で15センチ程度に成長する。
たんぱく質が多く、コレストロールを減らすタウリンを含む。 すし1カン当たり44.7Kcal
漬け込み沸騰させた湯に、荒塩を一つまみ入れる。 きれいにした帆立貝を入れて、強火で茹でる。 漬け込みの仕事は完全にホタテ貝は火を通しておく。 カツオ節のダシ汁に砂糖、醤油、日本酒を加えて煮立てる。 ハマグリのように茹でた貝の旨味がでないのでカツオ節のダシを使う。
東京湾、横浜市子安浜が最上 瀬戸内海も有名である。 5~6月にかけて卵を抱いているものが最高の味(カツブシ)
別名”むき”とも呼んでいる。
すし1カン当たり47.0KcalビタミンB1、B2の含有量が優れている。新陳代謝を盛んにする。
シャコの場合、ゆでて皮をむいて箱につめてあるものを仕入れるのが一般的 である。 手のひらで軽くつぶす。 大きいものはそのまま小さいものは腹に包丁をいれて開いて用いる。 シャコは本来煮物のタネなので煮ツメつけて供す。 ワサビは用いない。
旬は大漁に漁獲される夏(6~8月)。
産地は東京湾羽田沖。 瀬戸内の明石ものを最上。 全国各地はもちろん、朝鮮、韓国、中国、台湾等まで広く漁獲される。
この魚は海底の岩礁の穴や、泥に穴をあけてすんでいる。 マアナゴの俗称のハカリメ、キンリョウなどは、アナゴの両体側にある白い斑点が、竿ばかりの目盛りのように並んで見えるところからついたもので、漢字をあてれば、秤目、斤量となろう。ゴマもホシも、みな同じ模様の特徴をとらえたものである。
アナゴが胴より頭部のほうが体高が高いのに対して、ウナギは頭部が小さくて、 胸ビレのあたりから胴が高くなるのが特徴である。ハモは以上2種にくらべると、口がとがって大きく、かつ、背びれが長いのが目立つ。 成長段階には、どれにも共通するおもしろい時期がある。この種の魚は、小さいころは、まるで木の葉のような形をしているのである。
アナゴ科の魚には、マアナゴ、クロアナゴ、ゴテンアナゴなどの種類がある。
このうち、いちばん味のよいのは、すしに主に使われるマアナゴである。 マアナゴの体色は薄茶色で、ウナギと同じように背側は黒っぽく濃く、腹側は白い。頭のところから尾まで、点々と白い斑紋のあるのが大きな特徴である。 この白い斑紋は、他種のアナゴにはないので、マアナゴと他とはすぐに見分けがつく。
クロアナゴは、名の通り体色が黒っぽく、マアナゴのような白い斑紋はない。 もっとも、幼魚時代には色も薄く、マアナゴに似ているが、白い斑紋がないので 区別できる。このアナゴはなかでももっとも大きく成長し、体長1メートルにもなる ことがある。しかし、味の面では劣るとめ、主としてカマボコの材料に使われる。 クロアナゴは、関西、九州方面では、トウヘイという俗称がある。 ゴテンアナゴの体色は、赤みを帯びた灰褐色。腹側は白っぽく、目の上下に黒褐色の斑点がある。この斑点が、江戸時代の大奥にあがった御殿女中の眉のように見えるので、ゴテンアナゴというわけだが、一般にはギンアナゴの呼称も使われている。 マアナゴよりやや太く、体長は短い。味はマアナゴに次ぐものを持っているが、身は硬めで、東京より関西で好まれている。
方言の呼び名が日本全国にあるのを見てもわかるように、アナゴの分布海域は日本沿岸はもちろんのこと、朝鮮、中国、台湾、ハワイ沿岸、インド洋にまで広がっている。 おもに内湾の砂泥地にすみ、昼は泥の中の穴にもぐってじっとしており、夜間に なると活発に動き回って餌をあさる。丈夫な門歯状の歯のついた両あごで、餌に襲いかかる。冬は100Mもの深場に移り、産卵は種類によって異なるが6~12月に行われ、早春にはよく地引網に木の葉状の幼魚が多量にかかる。海底にすんでいるために、網による多漁はできない。一本釣りで釣り上げたり、 かぎでひっかけたり細い割り竹で作った特殊な籠に餌を入れて、中に入ったら引き上げるという漁法もある。 昔は東京湾羽田沖のものと、瀬戸内明石のものを最上とした。いまでは韓国の ものも使っている。
季節によって、味が極端に変わることはなく、大量にとれる夏を旬としている。 幼魚を生で食べるときには、旬は早春。 生きているものを酸みそなどでおどり食いするのをよしとする地方もある。
栄養価 ビタミンAをを500ミリグラムを含有するが、ウナギのようにとび抜けて多いということはない。カルシュウムは100グラムあたり150ミリグラムを含み、他の魚と比べて多い。
油と合性がよい所から、てんぷらに使われることが多い。東京ではメソッコと呼ぶ小ぶりなマアナゴを、1本を長いまま油で揚げることが多い。 関西では焼きアナゴ、かば焼き、煮物、ごぼうなどを芯にして巻く八幡巻き、椀ダネなど用途は広い。 どういうものか、総菜用魚として関西で好まれ、よく魚屋の店先でさばきながら 売っており、煮物、焼き物として広く料理されているのが、関東とは違っている。
女性の美しい指のことを白魚のようだという。
シラウオと徳川家康の話
イ、東京の佃島の漁師が隅田川で魚をとっていた。
ロ、今まで見たことのない白魚の魚がたくさん網にかかった。
ハ、漁師のの中に三河に産するシラウオかもしれないと今の兵庫県生まれの漁師がいた。
ニ、シラウオだとすると魚の頭に家紋である”葵”がついているはず だといい、調べるとまさしく紋がついてい た。さっそく将軍に献上した。
ホ、家康は”わが生まれ故郷である三河のシラウオが江戸に産するとはたいへん吉兆”と喜ばれた。
ヘ、以来、佃島でとれるシラウオは一番初めに家康に献上された。
昔は三河湾のものが最上とされた。 鮮度を大切にするので、地元で獲れたものが最上とされてる。 東京では霞ヶ浦のもの関西では島根県の宍道湖がよい。 四ツ手網 で夜間いかがり火をたいて漁をする。
4~5月に産卵のため川にさかのぼるのを捕らえる。春先が旬 おどり食いは鉢に泳がせ箸でつまんで二杯酢で食べる。
イ、みりんをうすめて、そこに白砂糖を少し加えたうす味のツユを作る
ロ、それで煮る
イ、平らな鍋に先のツユを煮たてそこに塩で洗った白魚を一本づつ ならべて蒸しぶたをして弱火でさっと火を通す。
ロ、このときならべた白魚の上に、アミなどをのせてまっすぐ煮あがる ようにする。
ハ、火が通ったら手ザルにあげてあおいで冷ます。一本ずつはなしておく。
ニ、生煮えはいたみやすいので注意。
ホ、握るときは5~6本ずつ頭をそろえてよせ、すしに握る。
ヘ、これを煮たかんぴょうを細く細かく切ったもので1本ずつ結んだものである。
東京から九州にかけてウニの名で通用する。 生ウニを「海胆」。塩漬け食用を「雲丹」としている。 東北から北海道にかけてカゼと呼ぶ。 三陸地方の生ウニをハマグリの貝に詰めて焼き上げたものをカゼ焼き という 食用になるウニはイ、ムラサキウニ ロ、バフンウニ
卵巣が発達してきたときに殻を割って取り出したものが生ウニである。三陸地方と山口県が産地として有名。
成長段階によって呼び名が違う。 頭を除いた部分の長さ、5~6センチのものをサイマキエビまたはコマキエビ。 10センチぐらいのものをマキエビ。 それいじょうのおおきいみのがクルマエビと呼ばれている。 にぎりずしに用いるのはマキエビと呼ばれる大きさである。 すしダネに用いるエビの種類としてはクルマエビが味、色ともに最高で理想 である。
ゆでる場合、加熱時間が長いほど、食品中の成分が不利に変化することが多い ので、できるだけ、短時間で処理することが望ましい。 湯の量が多いと、ゆでる材料をいれても温度がさがりにくく短時間で材料の処理 ができるからである。 沸騰した湯へ材料をいれるのも同じ理由からである。
フタをとっておくと魚介類の場合、生臭いにおいが水蒸気とともに逃げてくれる。 ところがフタをしておくと、生臭みが身の中に残ってしまう。 魚介類をゆでるとき、加える塩の働きはなにか。 塩分があると、タンパク質は低温でもかたまる。そのため、塩があると、湯に入 れてすぐ、材料の表面がかたまり、中からうま味の成分が逃げ出すことをふせげる。また、身くずれもしない。
ゲソやタコは、塩をいれない湯でゆでる。しかし、これは、湯を入れる前に塩でも んであるので、塩を入れると同じ効果があるからである。
とくに、イカやタコは表皮が強いので、短い時間では中で旨みが逃げ出すことは ない。
活けのマキエビ(クルマエビ)で握るすしをすし店では”オドリ”と称してる。背から開く(ゆでる場合は腹からさくので、ちょうど逆である。) 頭は塩焼きにして供す。 もみノリをはさんで握る。
北海道や北陸地方、山陰地方一帯で獲れるエビである。 呼び名 南蛮エビ、ヌキエビとも呼ばれている。
東北・北海道地方の特産エビである。 深海にいるものなので、活けものはほとんどない。 東北地方では、ほとんどの店が生でつかっている。 火を入れると身が縮んでしまう。
北海道以外の各地の沿岸にいる。 本州中部以南に多く、東京では房州の館山や保田(はた)のものが 最高といわれている。
鹿児島、宮崎などの九州物が多い。
秋から冬。 特徴 大きな墨袋を持ち、多量の墨を出すことから通称スミイカ。和名をコウイカ。 肉厚が柔らかくて、高級なすしダネには主にこれが使われる。
普段は暖流域の沖合いにいて、産卵期に内湾に寄せてくる。 山口県のものがとくに有名である。
春から夏にかけて
日本全国に分布しているが主産地は九州や山陰。漁獲量が少ない最高級品。
初夏から秋
イクラはサケの卵である。 産卵期に近いサケから、人工的に卵巣をとり、卵をバラバラにして飽和食塩水に ひたし、塩が充分にまわったら取りだして水気を切って製品にする。
握りにはウニと同様ワサビとは味が合わないのでワサビは原則として用いない。
カズノコはニシンの卵である。 一腹の卵の数が多いことから子孫繁栄の縁起をかついで、おめでたい食品として 正月料理に昔から使われている。 最近は塩蔵品がほとんどである。
塩水につけて戻す。(よび塩となって塩抜きが早い)
・ うすい膜がういてくるので、これをはがしウロコをとる。
・ 水をかえてよくあらう。2~3時間から、5~6時間以上まで。
・ この間よく水をかえて、よく洗う。
・ 同じ水に何時までもつけっぱなしにしておくと、ニガミや渋味がぬけない。
通称は、ホンマグロとシビ。 体色の黒をかぶせてクロシビとしたりする呼び名も多い。 東京では成長段階に応じて、カキノタネー小メジー中メジー大メジー中マグロ (中ぼう)ーマルロと呼ぶ。クロマグロは、マグロ類の大様という言葉にふさわしいく、全長3メートル、 体重400キロにもなる。 マグリ類はいずれもサバ科に属する暖海性の回遊魚であるが、クロマグロだけ は比較的寒冷な水域にもすみ、日本近海での北限は千島にも及んでいる。 九州以南には年中回遊してき、初夏からとうほくちほうへ群泳(海の上層を泳ぐ) 晩秋に南方に下る。旬は冬である。冬季には脂肪ののりが特によく、美味であるが、漁獲が少ない ので値は高い。
マグロが江戸前ずしに登場したのは170年前の天保年間とされている。 マグロがとれすぎて江戸市中にだぶつき、ひじょうな安値になった年に、日本橋 馬喰町の「恵比寿ずし」という屋台店が試しにマグロを握ってみたのが始まりに なっている。これが意外にもうまくて江戸っ子の人気をさらい、扱いとしては下魚 であっても、明治のころはもう、「マグロがなくては商売ができない」とまでいわれ るほど、重要なすしダネになっていた。 ただし、当初から明治半ばに至るまでの調理法は、しょうゆに漬ける「ヅケ」 調理法であり、それには脂肪の少ない赤身の部分がもっぱらといってよいほど 使われた。
トロはもっとも価値のない部分だったわけで、高級店は背の身のほう から選び、安いトロは、屋台店など、下のランクの店でしか使われなかった。 また、マグロの種類も、明治・大正のころまでは出前が主であるため、時間が たっても色のかわらぬカジキやキハダの方が珍重されがちであった。 現在のように、脂肪の部分が好まれ、クロマグロが高級品に変わったのは、 関東大震災以後であり、トロに人気が出てきたのは、安い屋台店の客の間から といわれている。屋台が盛んになった昭和五~六年ころから、トロが好まれだし たようである
メバチ メバチ(目鉢)という名は、マグロ類の中でも頭部が大きく、目がパッチリしている ことからついた名である。 体長は2メートルくらいまでで、昼は沖合いの中層を泳ぎ、夜は表層近くに出現 する習性を持つ。そのため月夜に流し網でとることが多い。
産卵期は6~7月。
旬は春。 漁
場は三陸、銚子、紀州など、近海でとれたものが最上であるが、近年は近海 ものの漁獲が少なく、遠洋漁業の冷凍ものが主である。 魚肉は鮮紅色で、クロマグロと比べた場合、色の変わりが少ないという長所が ある。肉質はやわらかだが、美味といえよう。 清水では「五十マグロ(シビ)」といい、とくに五月、十月ごろにとれたものは、 クロマグロの質のよいものに匹敵するといわれている。 ここに説明文が入ります。
すしダネになる魚の中で鮮度の落ちるのがもっとも早い魚である。すし店では 俗に”いそがし魚”と表現されてる。仕入れしたら、その日のうちに売り切ることは当然だが、身をおろしたら2~3 時間で売ってしまわないといけない。たちまち色が変わってしまう。
カツオもサバと同じように酵素力が強く、自己消化が早いため鮮度が落ちやす い。
カツオやタイは皮そのものも大変味がよいので、皮も食べられるように焼霜に する。 生でそのまま食べるのとはまた、違った風味が加わり、よりうまくなる。 カツオはとくにクセの強い生臭みのある魚なので、皮を焼くことで生じる香ば しい香りをつけ、生臭みを消すのである。
クセが強く、生臭みやにおいの強いすしダネだけに、生姜を用いている。 カツオやアジがそうである。 ワサビは、そのピリッとした辛味の強い刺激で、瞬間的に味覚と嗅覚をマヒさせ それによって生臭みを感じさせないという働きをしている。生臭みそのものを消 しているのではない。 それだから、ワサビはピリッと辛く効いてないと、生臭みを感じさせてしまう。 それに対して、生姜の方は、生臭みそのものを消す作用がある。 だから、カツオやアジ(生)のように、ワサビで刺激した程度では味覚や嗅覚を ごまかせないほど、クセや生臭みの強いものには生姜を用いる。