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鮨の魅力は「一貫食べるたびに別の食欲が刺激されて次はなんだろう」と期待する

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すしの歴史8地方のすし

四国・九州地方

あじずし(徳島・高知県)

形態
新鮮なアジが入手できればどこでも作る。形態としては、握りずし・姿ずしである。徳島県の鳴門地方では、姿ずしを「丸ずし」とも言う。
作り方
アジは大きいものであれば3枚におろし、小さいものであれば背開きにして内臓と骨を取る。これを塩で締め、その後、酢で締めておく。すし飯は甘味をぐんと押さえ、砂糖を全く使わない人もある。俵型に握ったすし飯にアジを乗せ、手で成形する。仕上げに、せん切りショウガや紅ショウガを乗せ、スダチのしぼり汁をふりかけると風味がよい。縁起のよいすし  姿ずしにする際には、ゼイゴ(尾近くにある固いウロコ)は取り除くとしたものだが、徳島県鳴門地方ではこれをゼンゴと称して「銭」に通ずるものとして、わざと残す。いわく、「銭つけて、飯食って、横になって寝る」から、このすしは縁起がよいそうだ


アメゴずし(徳島・高知県)

形態
山間部の清流で獲れるアメゴ(アマゴ)を使った早ずし。多くは姿ずしだが、徳島県の奥那賀地方では、アメゴを切り身にして握りずしにもする。
作り方
アメゴはよく洗って背開きにし、塩でよく締めてから酢で締める。ご飯はユズ酢で味をつけ、アメゴの大きさに合わせて握っておく。アメゴの腹にすし飯を詰め、巻きすや布巾で成形する。 握りずしの場合は、3枚におろして酢に浸し、片身を3〜4切れにする。これを俵型に握ったすし飯の上に貼り付け、成形する。内陸部では 何にもまさるご馳走で、高知では山間部の皿鉢(さわち)「田舎ずし」での貴重な生ぐさ物のすしとなる。


姿ずし(高知県)

中心はサバの姿ずし 祭りや祝事には皿鉢料理(大皿盛り料理)が欠かせないのが高知の土地柄であるが、普通は皿鉢にせよ「すし皿鉢」にせよ、その中心になるのはサバの姿ずしである。頭と尾は立ち上げって盛りつけ、豪快感をさらに演出する。よほどの山間地域を除き、ほぼ県内全域で作られる。足摺地方では「いおずし」とも言う。 魚の種類 魚はサバのほか、アジ・アマダイ・カマス・ヒメイチ・(ヒメジ)・ウルメ・(イワシ)・ボラ・イナ(ボラの幼魚)など、季節に応じた魚が使われる。ただ、アマダイは高級魚で、あまり数多くは作らない。逆に、ヒメイチやウルメは普段に作ることもある。
作り方
魚は背開きにして中骨と内臓をとり、塩でよく締めてから酢に浸す。中まで良くしみ込んだら水気を取り、ユズ酢で味をつけたすし飯を詰める。すし飯は、頭の部分にもしっかり詰める。巻きすや布巾で形を整え、筒切りにして皿に盛る。大きなサバの場合は、頭と尾の部分を切り分けたら、腹の部分は縦に包丁を入れて二分し、それから筒きりする。


かいさまずし(高知県)

名称の由来
「かいさま」とは「さかさま」のこと。通常の棒ずしは魚皮側を上(外)に向けてすし飯に貼りつけるが、タチウオやウルメ(イワシ)は皮側を下(内)にして貼りつける。、魚身の貼り方が普通の棒ずしとはさかさまなので、これを「かいさまずし」と呼ぶ。
作り方
タチウオは銀皮をこそいでから3枚におろす。身のやわらかいウルメは、頭を手でちぎり、骨と内臓を一緒に引っぱり出す。これらの魚身は塩で締め、酢をかませる。(酢に浸ける)。身が厚い魚は、ゆっくりと酢をかませた方がよい。巻きすや布巾の上に、皮側の部分を上にして魚身を置き、そこにすし飯を置いて、巻きすや布巾で成形する。


すし皿鉢(高知県)

皿鉢料理
高知の人寄せ行事では、刺身やすしを大皿に豪勢に飾り立てて食卓のメインに据えつける。この皿盛りを、「皿鉢料理」と言う。「すし皿鉢」は、その中でも特に、すしだけで構成したものである。「男が作らないと美味しくない」という人もある。
盛り込みの内容
サバの姿ずしをはじめタチウオの「かいさまずし」やアジの姿ずしなど新鮮な魚身を使ったすし、コンブ巻きずしや海苔巻ずしなどが盛り込まれた姿は土佐の郷土料理の代表格としてよく知られている。
田舎ずし
しかしながら、内陸部に入ると、海魚も海産物も使わない「田舎ずし」を盛り合わせた「すし皿鉢」が作られる。いずれも、入手できる材料をフルに活用して行事に備えようとした人々の心意気が知れるともに、豪毅さを美徳とする土佐の土地柄が感じられる


田舎ずし(高知県)

名称の由来
鮮魚を使った姿ずしや棒ずしに対して、山野菜を使った精進物のすしを総称してこう呼ぶ。おそらくは、かって新鮮な海産物が入手できなかった山間地域において考案されたものであろう。 具体的には、コンニャクずし・ミョウガずし・タケノコずし・リュウキュウずし・シイタケずし・ナスずし・タカナのすし等がある。これらをまとめて大皿に盛り合わせるのが、山あいの「すし皿鉢」である。 すしを特徴づけるユズ酢 これは、酢にユズの風味を加えるというより、ユズのしぼり汁に酢をたらすと言った方が適当で、ユズの木を持っている家ではユズ酢のために1升瓶を何本も並べてユズのしぼり汁を取ったものであった。 ユズ酢は、ユズのしぼり汁を砂糖と塩で味付け、真酢(生酢)を少々入れたものである。ここに焼きサバのほぐし身を浸し、白ゴマや刻みショウガを混ぜたのが合わせ酢になる。これを合わせたすし飯はユズの香りが高く、しかもそれは時間が経ってもあせることがない。
すし飯の作り方
ユズ酢をあて、白ごまを混ぜたものである。このほか、刻みショウガや青シソなどを加える場合もあるし、ユズ酢に焼きサバのほぐし身を浸しておき、飯に混ぜ込んでしまうこともある。後者は魚の甘味がしみ込んで美味ではあるが、昔であれば、なかなかできなかったであろう。 コンニャクずしの作り方 県北部で顕著な家庭料理で、油揚げの代わりにこんにゃくを使った稲荷ずし。コンニャクは板コンニャクを半分の厚さにし、さらに、ひとつが直角二等辺三角形を呈するように切り分ける。長辺にあたる部分から包丁を入れてコンニャクを袋状にして、臭み取りのための下ゆでをした後、甘辛く煮付ける。煮上がったら、中にすし飯を詰める。 かっては山間部の人々にとっては、油揚げを購入するのも贅沢であった。そこで、自家で製することのできるコンニャクを油揚げの代用としたのだという。しかしながら、濃厚に味をつけたコンニャクハすし飯と相性がよく、通常の稲荷ずしとは別の味わいが楽しめる。
ミョウガずしの作り方
ミョウガずしは握りずしで、ミョウガを二つ割りにして甘酢もしくはユズ酢に浸けてやわらかくし、すしダネにする。ミョウガはほのかなピンク色を呈する。また、一番外側のやや固い皮をユズ酢に浸し、これを2〜3枚乗せて握ることもある。こちらのミョウガは鮮やかな濃桃色となる。 タケノコずしの作り方 タケノコずしには箱ずし・棒ずし・印籠ずしの各種があるが、いずれも下ゆでした後、甘辛く煮つけたハチクを使う。
@箱ずし
箱ずしは、すし箱にすし飯を詰め、薄切りにしたタケノコを貼って重石をかける。半日ほど押したら箱から抜き出して小切りにし、上に白ゴマをふりかけて供する。
A棒ずし
棒ずしは、すし飯を細長く固め、根に近い部分を平たく開いたタケノコを上に貼って、布巾や巻きすで成形する。すし飯が冷めると貼りりつきが悪くなるため、飯が熱いうちにこしらえるのがコツである。これらはご飯にタケノコをひっつけるため、「ひっつけずし」とも呼ばれる。
B印籠ずし
印籠ずしは、細いタケノコを割らずに筒のまま用いる。節をくりぬいて、中にすし飯を詰め、小口に切る。洒落ており、いかにも現代風の感があるが、同様の製法は江戸期の料理本『名飯部類』に見られる。
Cリュウキュウずし
リュウキュウずしは、リュウキュウの棒ずしである。リュウキュウとはハスイモの茎のこと。薄く切り開き、下ゆでしてから甘めのユズ酢に浸しておき細長く固めすし飯を包み込む。きわめて淡白な風味ながら、美しい黄緑色もしくはエメラルドグリーンに仕上がり、単品で皿盛りにすれば涼しげな感がある。
Dシイタケずし
シイタケずしは、甘からく煮付けたシイタケをタネにした握りずし。干しシイタケを使うと香りが強く現れ、すしの風味はいっそう増す。
Eナスずし
ナスずしは棒ずしで、細長く固めたすし飯の上に、二つに割ったナスの一夜漬けを置いて、布巾や巻きすで成形する。
Fタカナのすし
タカナのすしは」巻きずしで、塩ゆでもしくは塩漬けにしたタカナを広げ、すし飯を置いて巻きすで巻きつける。。甘煮にしたニンジンやシイタケ、塩ゆでしたホウレンソウなどを芯にする。タカナは、「三月菜」「大菜」とも呼ばれる。大晦日に「すし皿鉢) 以上、どれもこれも主材料となるのは山菜・野菜で、山間部の農家で自給できるものばかりである。ひとつひとつは地味であるが、盛り合わせられると見た目にも非常に鮮やかで、豪華な感じが出る。ここにアメゴの姿ずしでも加われば、いっそう華やかになる。 県東部山間部など、地域によっては大晦日にこの「すし皿鉢」を準備し、酒を呑み、すしを食べながら新年を迎える。ひと晩たったものは、サッと焼いて食べることもあるという。


ばらずし(徳島県)

呼び名
一部では「かき混ぜ」とも呼ぶ混ぜずし。全県下でよく見られる。

具は、ニンジン・シイタケ・ゴボウ・干しダイコン・サトイモ・油揚げ・荒野豆腐・タケノコ・エンドウ・インゲンなど、手に入る山野菜・乾物などの精進物を多く利用する。動物性食品は竹輪・板付(かまぼこ)・卵焼きくらいなもので、海岸部であっても鮮魚を混ぜることはあまりなかった。 ただ、阿南海岸では、「ヒジキが入っていないすしは、食べた気がしない」とまで言われ、干しヒジキは混ぜずしの必需品である。また、このあたりではグレ(クロダイ)やタカノハダイの焼き魚の身をむしって、合わせ酢に仕込んでおくことがしばしば見られる。

     

ボウゼずし(徳島県)

名物料理
新鮮な魚の獲れる海岸部では、アジやカマス・アマダイなど何でも姿ずしにするが、中でもボウゼの姿ずしは徳島の名物料理としてよく知られている。ボウゼは関西ではウボセ、関東ではイボダイなどと呼ばれ、広くすしダネとされたが、今では徳島でしか見られなくなってしまっている。
作り方
ボウゼはウロコと目玉を取り、塩で締めてから背割りにして内臓と中骨を取る。先に開いてもよいが身がやわらかいので、先に塩をすると都合よい。開いたらあらためて塩で締め、その後、水洗いして酢に浸す。酢は「ユの酢(ユズ酢)」である。このボウゼの上にすし飯を置き、頭にもご飯が詰まるようによく手で押さえ込んでから、布巾で包み成形する。あしらいには徳島名産のスダチが似合う。
漁期
ボウゼの漁期は夏の終わりである。やがてやって来る秋祭りでは、ボウゼの姿ずしが好んで作られ、食卓をにぎわせる。


ばらずし(愛媛県)

呼び名
県下ほぼ全域で見られる混ぜずしで、「もぶりずし」とも呼ばれる。「もぶる」とは「混ぜ合わせる」の意味である。 米が貴重な漁村 かっては。どちらかといえば海岸部でやや希薄な感があったが、これは漁村ゆえに米がより貴重で、ご飯料理そのものが作られにくかったからであろう。むろん、昨今はそんな事情はない。新鮮な魚介類をふんだんに盛り込んで、豪華なばらずしに仕上がることもめずらしくなくなった。 山間部の具 ほぼ共通するのがにんじん・シイタケ・レンコン・ごぼうなどの野菜類で、細か切って、甘辛く煮つけておく。精進物のばらずしである。 平野部の具 浜から運ばれた魚を購入したりして、生ぐさ物が入るようになる。たとえば、エソなどの白身魚を素焼きしてほぐし、その身を合わせ酢に混ぜて、「酢にごし」にしたりする。また、焼きアナゴを細かく刻んで他の具と一諸に混ぜ込むこともある。
呼び名のいろいろ
東予では、猫もまたいて通るから「猫またぎ」の異名をとるほど大量に獲れたというエビを使ったものだった。 新居浜では「エビずし」と称し、エビが入っていないすしは本物でないとさえ言われたという。 燧灘(ひうちなだ)沿岸から島嶼部に至ると、魚の比重はさらに増え、「酢にごし」や焼いたレスケ(アナゴ)・タイ・チヌ・スズキ・エビ・エソ・イカ・タコなど、旬の魚の刺身(もしくは鮓締め切り身)が上置きされる。これを「魚島ずし」と呼ぶことがある。さらには、「豪勢なすしを作る祭りの時期」を称して「魚島の季節」といった言い回しもあった。 +


石切りずし(香川)

形態
小豆島に伝わる箱ずしで、祭りや行事の時に家庭で作られる。名前の由来 「石切り」とは「(すし箱を)石で押して、抜き出して、切る」という意味か。わざわざ重石をすしの名称に冠するのもめずらしいが、小豆地方は、「豊島石」や大阪城の垣石に象徴されるごとく石材の産地であるため、石に対しては特別な思いがあったのかもしれない。
作り方
具は、魚やエビ・シイタケ・卵焼きなどで、魚は塩で締め、小さな切り身にしてから酢で締める。季節を問わず作るため、魚は旬のものを準備すればよいが、「すしの魚」とされるのは春のサワラである。エビは塩茹で、シイタケは甘く煮ふくめる。すしを小切りした時に2種類ずつ具が上置きされるように、これらをすし飯の上に配する。鮓締め魚の上にサンショウ葉をあしらうと生ぐさみが減り、彩りもよい。箱が深底の場合には、一層ずつ仕切って数段に重ねる。 ここに説明文が入ります。ここに説明文が入りますここに説明文が入ります。


かますずし(福岡県)

かますずしの由来
久留米市の高良大社の「くんち(秋祭り)」の時期になると、かっては付近一帯でカマスの姿ずしが作られたものだった。秋はカマスの旬であるが、高価なため、サバで代用する家もあった。 「くんち」は、ちょうど収穫を終えたころで、神社には空いた叺(かます)に新米を入れて奉納する。「空き叺に飯を入れる」ことになぞらえて、「秋カマスに飯を入れる」としたのがカマスずしの由来だという。
作り方
カマスは背開きにして内臓と中骨を取り、塩で締める。その後よく酢で締め、すし飯を抱かせる。最後に、布巾で成形する。ひと晩おいておくと、味がなじんで美味になる。 食文化の見直し 軽く上品な味わいで、祭り客へのもてなしには欠かせななかったし、高良大社の参道にはこのすしを売る店が軒を連ねたものだったが、それも昔話で、一時期はほとんどは廃れかけた。現在では、旧家で伝承される一方、地元の食文化として見直す動きもある。


須古ずし(佐賀県)

別名「もろふたずし」
白石町須古地区に伝わるはやずし。静岡の切りだめしずしや京都のまつぶたずしなどと同様、浅い木箱にすし飯と具を入れて杓子で切り出す形態で、木箱の名前をとって「もろふたずし」とも呼ばれる。
作り方
すし飯には具を混ぜず、白いままをもろふたに詰める。軽く抑えて平にならし、適当なサイズに分かれよう。筋目をつけておく。この筋目にしたがって、具を置く。具は、タケノコやフキなど季節の山野菜を利用すればよく、手に入れば魚を乗せてもよい。錦糸卵や紅ショウガなどは、彩りによい。 文が入ります。


ねまるずし(熊本県)

呼称と由来
「ねまる」とは「腐る」の意味で、ストレートに解すると「腐りずし」となる。九州唯一の残存例とも言うべき発酵ずしである。「糀ずし」「つけずし」とも呼ばれる。
魚種
球磨川流域の内陸部で、正月料理として作られる。漬ける魚は、かってはアユであったが、獲れなくなってからは、もっぱらコノシロが代わりを務めている。
作り方
魚は背開きにして内臓を取り中骨を取り、約ひと月間、たくさんの塩で漬けておく。その後、塩出しして、糀と刻みショウガを混ぜたご飯を腹に詰め込む。桶にこれを並べ、隙間にユズの輪切りや葉を散らしながら層にする。重石は最初控え目にし、次第に重くする。2週間からひと月ほどで発酵する。


大村ずし(長崎県)

わが国で最も豪華なすし
岩国ずしと並んでで、わが国の箱ずしの中で最も豪華なすしのひとつに挙げられる。その名のとうり、旧大村藩領地域で人寄せによく作られる。 地元が語る発祥の話 このすしの起源を語るとき、地元を治めていた大村純伊には隣国の有馬・西郷らの攻略を受け、唐津沖ノ島に難を逃れた。その6年後、純伊は再び大村の地を取り戻し、帰ってきた。この時に、領民が祝賀の意味をこめてふるまったのが、もろふたに飯と野菜や魚を詰めたものだった。将兵たちは持っていた刀でこれを切り分け、食べた。これが大村ずしの発祥であるという。
別名「投げずし」
容器は「もろふた」底板が固定された浅い木箱と、底板がはずれるすし箱があり、後者はすしを抜き出しやすくするための改良型のようだ。キッチリと押し付けるので、できあがったすしは投げてもくずれないことから、「投げずし」とも呼ばれる。

甘辛く煮つけたゴボウ・シイタケ・カンピョウ・タケノコ・フキ・干しダイコンなどの山野菜、錦糸卵、おぼろなどが中心で、時として、チヌ(クロダイ)・クロイナ(メジナ)・キスなどの酢締め魚も使われる。サンショウの葉も、上置きの彩りとなって好まれる。
作り方
箱の中にすし飯を敷き、具を散らし、再びすし飯を乗せて、具を置く。最後に落とし蓋をして1時間ほど重石をかける。
その後「もろふた」の場合は箱の中で切り目をつけ、包丁で抜き起こす。底板がはずれるものは、抜き出して小切りする。
深底の箱に作る場合は、途中に仕切り板を置くこともあるが、ご飯と具とを何段にも重ねて、具を何層にもすることもある。分厚くなればなるほど、抜き出し切った時の切り口が注目されるため、重ね方には慎重さを要する。また、重石を用いず手で押しをかけることもあるが、大箱だとなかなかうまく押せない。そこで、ふたの上に乗って足で押し付ける方法が採られる。けれども、そのすしを目上の人に献上する際は足で踏みつけることはせず、あくまでも手押しをするという美風があった。

     

なますずし(長崎県)

作り方
具となるのはイワシ・ダイコン・ニンジンで、イワシは開いて頭を取り、塩をした後、酢で締める。これを熱いご飯に埋めて、半煮えにさせる。ダイコン・ニンジンはせん切りにしてイワシの残り酢に浸け、ご飯に混ぜ込んでしまう。食べる時には、ゴマをふる。 特徴 平戸市野子地方で見られる、一風変わった混ぜずしである。なますをご飯に混ぜ込むことですし飯を作るのであり、あらかじめ合わせ酢をあてたすし飯に具を混ぜるもではないことが特筆される。 手間を省いた方法 海浜部では野菜を煮込むよりも生魚を酢締めにするほうが手っ取り早い。また、白米になますを混ぜてすし飯を作るのも、いかにも手間を省いた方法である。これらのすしは、漁民たちの、気取らないご馳走と言えよう。


ばらずし(宮崎県)

特徴
比較的全県下で見られる。季節を問わず、その時々に入手できる材料をすし飯に混ぜ込んで作る。手軽にできるため、ちょっとした行事や来客時などには重宝される。
具材
ニンジン・シイタケ・ゴボウ・タケノコ・油揚げ・揚げ身(魚にすり身を揚げたもの)・生ダイコン・干しダイコンなどで、手に入るところでは、イリコ(煮干し)や「火干かし」をダシニ使って具を甘辛く煮付ける。「火干かし」とは、イワシやアジなどのほか「はねもん(傷物)」の小魚を素焼きして干したものである。 南部の日南地方では、ミナ(ニナ)と称する貝を入れたすしが春から夏にかけてのご馳走となる。ミナはゆでても生でもよい。また、同じ日南地方でも山間の地域になると、鶏が具になることもある。他の具と同じく細切りにして甘辛く煮つつける。 道具は「すしばら」 ばらずしを混ぜるさいに使う道具では、日南地方の「すしばら」が特記される。これは、キンチクなる竹で編んだザル。キンチクは薩摩藩の御用で、火縄に使ったというこのすしばらを使うのは、宮崎県でも旧薩摩藩領に属した地方に多いようである。


酒ずし(鹿児島県)

特徴
鹿児島の郷土料理を語るとき、必ず紹介されるのがこの酒ずしである。家庭料理としてはほとんど見られることはなくなっているのが現状である。 原則的に、酢は用いることをせず、その名とうり酒を混ぜるのが最大の特徴である。この酒は「地酒」と呼ばれる味醂のような甘い酒である。
作り方
桶に酒をふりながら、ご飯と具材を交互に重ね、最後に錦糸卵や酢締め白身魚・ゆでエビ・木の芽・などを貼って落とし蓋をし、軽く押しをかける。 その後押しをかけるが、一気にかけると酒がこぼれ出すので、ジワジワと押す。数時間後、桶からすくい出して皿に盛る。地酒は、甘いとはいえ立派なアルコールであるから、酒の弱い人は酔っぱらう。
具材
ニンジンやシイタケ・カンピョウ・ゆでミツバなど通常の混ぜずしの具に準ずる。他では見られない鹿児島特有の具といえば、つけ揚げ(薩摩揚げ)やこが焼き(魚のすり身を入れた卵焼き)であろう。白身魚は大が好まれる。
改良型ナマナレ
享和2年(1802)の『名飯部類』に、「酢を使わず、酒にてつくる」という「薩摩ずし」の記事がある。これはサバの丸ずし(姿ずし)である。酒を混ぜた飯を腹に詰めたサバを、酒をふりながら桶に並べる旨の製法が記されており、憶するに、この後、押しをかけたものと想像される。そうして発酵を待ったならば、それは典型的な改良型ナマナレである。


混ぜずし(鹿児島県)

別名
「すもじ」 このすしは「すもじ」と呼ばれることがある。「すもじ」とはすしを表現する古語で、宮中の女房言葉である。江戸時代、外様になった島津家が、幕府の隠密に領内の情報が漏れることを恐れ、平安言葉を参考にして単語を改変したことが、独特な薩摩言葉の起源である。
材料と 作り方
どちらかと言えば春先のもので、その手軽さから、卒業や入学の祝い事や花見などで好んで作られてきた。材料も、生ぐさものはつけ揚げ(薩摩揚げ)やこが焼き(魚のすり身を入れた卵焼き)ていどで、あとはニンジンやシイタケのほか、タケノコ・キヌサヤなど季節の山野菜が彩りを添える。タカナ漬けや「つぼ漬け(ダイコンの醤油漬け)」を刻んで混ぜることもある。 たくさんの具がにぎやかに混ざるすしとは対照的に具の少ないものもあって、ゆでたダイコンの葉と、つけ焼きした魚のほぐし身だけで作る。これはこれで、さっぱりした味わいである。


丸ずし(大分県)

別の呼称
海岸部で作られる姿ずし。魚は、アジ・イワシ・サバ・カマスなどで、尾頭つきであるために、祝い事や祭りのご馳走として人気がある。「姿ずし」「包みずし」とも呼ぶ。
作り方
魚は開いて内臓と骨を取り、塩で締めて小骨を除いたら酢で締める。魚の大きさに合わせてすし飯を握り、魚に抱かせ、濡れ布巾などで形を整える。 小さな魚は切らずにそのまま供される。あたかも、握りずしのような感がある。また、大きなサバやアジは頭を取って作ることがある。地域によっては、これを「姿ずし」と呼び、頭をつけた「丸ずし」と分ける場合もある。 豊後水道の南部海岸 豊後水道に面した南部海岸では、魚は背開きにするもので、梅酢に漬けた赤シソの葉を、魚の背中を覆うように巻きつける。赤シソは初夏に摘み取り、開いたままで梅酢に漬けておき、1年中使えるようにしてある。 「関サバ」「関アジ」の人気 速吸瀬戸(豊予水道)の急流でもまれた佐賀関の「関サバ」「関アジ」は、近年とみに著名となり、これらの丸ずしも人気が高まっている。


参考文献 著者 日比野光敏 「すしの事典」


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穴子の魚竹寿し

すし専門調理師・調理技能士

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